当センターの循環器内科 鈴木医師の論文が 2025年10月22日 Journal of the American College of Cardiology (JACC) に掲載されました。
本研究では聖路加国際病院予防医療センターの健診データを活用して、飲酒習慣の変化が血圧に与える影響について、約59,000人の35万9,717回分のデータを分析した結果が明らかになりました。
少量の飲酒(女性で1日1杯以下、男性で1日2杯以下)であっても、禁酒により血圧が有意に低下することが世界で初めて実証されました。具体的には、1日1〜2杯飲む女性が禁酒すると収縮期血圧が0.78mmHg、拡張期血圧が1.14mmHg低下し、男性ではそれぞれ1.03mmHgと1.62mmHg低下しました。
一方、お酒を飲まない人が新たに飲酒を始めた場合には、飲酒量に応じて血圧が上昇することも確認されました。また、ビール、ワイン、ウイスキー、日本酒、焼酎などアルコールの種類を問わず同様の血圧変化がみられ、エタノールそのものが血圧に影響を与える要因であることが示唆されました。
本研究は、これまでデータが不足していた女性においても男性と同様の効果が確認された点で重要であり、少量飲酒でも禁酒が性別や酒類を問わず有効な血圧管理戦略となることを示しています。
この研究結果は、米国心臓病学会(American College of Cardiology)からも注目するべき研究として公式プレスリリースとして発表され(https://www.acc.org/About-ACC/Press-Releases/2025/10/22/15/41/Small-Changes-in-Alcohol-Intake-Linke…)、朝日新聞(2025年11月13日付)を始めとした日米のメディアでも数多く取り上げられ、世界中で注目を集めています。
当法人並びに東京科学大学からも正式にプレスリリースをいたしております。https://hospital.luke.ac.jp/home/pdf/PressRelease_20251029.pdf
論文の内容の詳細は下記よりご覧ください。