SDM外来 ―病気のことを知り治療について一緒に考える外来―

一人ひとりに最適な心臓の治療や検査について時間をかけて相談できる外来です。

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「自分の治療は自分で決める」ことの重要性が、心血管疾患治療においても注目されています。

これまでは、医師から提案された治療法をそのまま受け入れるのが一般的でした。しかし、患者さんの中には「他に治療法があるのでは?」と疑問を感じながらも、医師に質問しにくいと感じる方が少なくありません。また、病気や治療法について相談したくても、適切な相手が見つからないということも多いかもしれません。
特に心血管疾患の治療には、「手術」、「カテーテル治療」、「薬物療法」、「ペースメーカーなどのデバイス治療」といった多様な選択肢があります。これらの治療法は、患者さん一人ひとりの病状や価値観に応じて異なるため、「共通の正解」というものはありません。

当センターのSDM(Shared Decision Making)外来は、心臓や血管の病気を抱える患者さんが、医師と一緒に時間をかけて病気について理解を深め、納得のいく治療法を相談することができる外来です。患者さんの病状と価値観やライフスタイルに合わせた自分にとって最適な治療法を、医師と共に見つけるためのサポートを行っています。

担当医師:浅野 拓

SDM(シェアード・ディシジョン・メイキング)とは?

患者さんが自分の治療を選ぶ方法として、「シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM: 協働意思決定)」というものがあります。SDMは、患者さんと医療者が協力して治療法を決定するプロセスです。

 医療者は「この治療が医学的に最適」といった専門知識を持っています。患者さんは「傷の少ない治療がいい」や「効果を優先したい」など、個々の価値観や希望を持っています。SDMでは、この双方の意見を共有し、治療方針を相談するかたちで一緒に考えます。

治療選択が複雑化する現代医療

現代の医療は複雑で、多くの選択肢があります。患者さんは「冠動脈疾患」「弁膜症」「不整脈」において、「薬物治療」「カテーテル治療」「外科手術」など、さまざまな治療法から1つを選ばなくてはなりません。 

ただ、外来の診察時間は限られています。患者さんも相談する機会を逃したり、医療者が全ての治療のメリットやデメリットを説明するには時間が不足しがちです。これが、治療決定を困難にしている要因の一つです。

SDM外来の特徴

「SDM外来 - 病気を知り、治療を一緒に考える外来」では、患者さんと医師が十分に時間をかけ、病気や治療法について深く相談できる外来です。 

この外来では、治療の選択肢についてじっくり説明します。「効果の高い治療」「傷の少ない治療」「薬物療法」など、患者さんの希望に合わせて治療法を選びます。家族も参加し、価値観に基づいた治療方針を一緒に決定します。

SDM外来で行っていること

疾患のことや、それに関わる検査や治療について医師から最新のエビデンスをもとに作成された資料をもとに説明をさせていただき、医師と一緒に御本人にとって最良と思われる治療を相談して模索していきます。
SDM外来の主な内容
  • 疾患の基本的な内容説明
  • 検査の選択肢のメリットやデメリットの説明
  • 治療の選択肢のメリットやデメリットの説明
  • 患者さん御本人の好みや価値観を加味した診療方針の相談・決定

「SDM外来」対象疾患

虚血性心疾患

狭心症などの虚血性心疾患に対して、薬剤による治療、カテーテルによる治療、手術による治療などのメリット・デメリットを説明し、一緒に適切な治療を検討していきます

弁膜症

大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症などの心臓弁膜に対して、症薬剤による治療、カテーテルによる治療、手術による治療などのメリット・デメリットを説明し、一緒に適切な治療を検討していきます

脂質異常症や高血圧などの動脈硬化疾患の一次予防および二次予防の治療選択(生活習慣改善含む)

コレステロールが高い、血圧が高い方を対象に、心血管の病気になるリスクを加味した上で、心血管の病気にならない(再発しない)適切な治療を検討していきます。

不整脈治療

心房細動などの不整脈に対して、薬剤による治療、カテーテルによる治療、手術による治療などのメリット・デメリットを説明し、一緒に適切な治療を検討していきます。
 
SDM外来ではこのような資料を使用しています

料金について

保険診療として通常の診察・検査などを実施します。
初診についてはSDM外来 ― 病気のことを知り治療について一緒に考える外来 ―に向けての事前問診をし、SDM外来(疾患に関する講義と治療方針の決定)の日程は別途ご相談になります。必要に応じて、間で検査を実施します。 SDM外来 ― 病気のことを知り治療について一緒に考える外来 ―の講義実施日については、待ち時間を最小限とし、通常の診療より丁寧にお話し合いできる時間を確保いたします。そのため、診療費と別途、予約料(保険外併用療養費)を徴収致します。

初回60分 11,000円(税込)
2回目以降30分 5,500円(税込)

セカンドオピニオンの場合は自費となり、SDM外来 ― 病気のことを知り治療について一緒に考える外来 ―の講義をお受けいただけます。

固定45分   27,500円(税込)

追加15分ごと 2,750円(税込)

セカンドオピニオンでのSDM外来

セカンドオピニオンは、病気の診断や治療において、他の医師の意見を求めることを指します。他院で治療を行っていて、その治療方針に迷ったり、現在の診断に不安を感じた場合、他の医師から意見を聞くことでより適切な選択をする手助けになります。他院での治療を受けている方でも、セカンドオピニオンというかたちでSDM外来を受診することが可能です通常のセカンドオピニオン外来は、医師からの治療の意見を聞くことが主な内容ですが、セカンドオピニオンでのSDM外来は、資料をもとに話を進め、患者さんの意向もすり合わせて治療方法を相談する外来である点が異なります。

セカンドオピニオンでのSDMを受けるべきタイミング

  • 治療法が複数ある場合
    複数の治療法が提示され、どれを選ぶべきか迷うときに、他の医師の意見を聞くことで選択の助けになります。

  • 手術や重い治療を提案された場合
    大きな手術や長期間にわたる治療が必要とされる場合、その判断が本当に適切か確認するために他の専門医に相談することが重要です。

  • 診断や治療に不安を感じた場合
    医師の説明に納得できない、診断や治療が合っているのか不安を感じた場合には、別の意見を聞くことが安心材料になります。

セカンドオピニオンでのSDMを受けるメリット

  • 安心感
    他の医師の意見を聞くことで、自分の判断や治療の選択に自信が持てます。

  • 異なる視点からの意見
    医師によって診断や治療の考え方が異なることがあります。新しい視点を得ることで、より広い選択肢が見えてくることがあります。

セカンドオピニオンでのSDMを受ける際のポイント

  • 今の主治医に相談
    セカンドオピニオンを受けることをためらう必要はありません。主治医に相談し、必要な書類やデータを提供してもらいましょう。

  • 自分の考えや希望を明確に伝える
    治療に対する希望や疑問点をしっかり伝えることが大切です。セカンドオピニオンを受ける目的を明確にしておきましょう。

セカンドオピニオンに関する外部サイト

予約について

SDM外来 ― 病気のことを知り治療について一緒に考える外来 ―をご希望の方は、予約センターにお電話ください。
他院に通院中の方は紹介状をご準備ください。
また、紹介状をお持ちでない場合別途選定療養費がかかる可能性があります。

当院心血管センターに通院中のかたは、外来担当医にご相談ください。

また、他院に通院中の方へセカンドオピニオンとしてSDM外来 ― 病気のことを知り治療について一緒に考える外来 ―の講義をお受けいただくことが可能です。
ご希望の場合は、医療連携室(TEL: 03-3543-7307)にご連絡ください。

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